ツーリングテント?ソロキャンプなら一人用でいいの?
そんなキャンプツーリング初心者のために、ツーリングで使いやすいテントについての基本的な情報と、おすすめのツーリングテントを紹介します。
冒頭の疑問、キャンプツーリングを始める前にわたしが考えてたことなんですよね。
あれから10・・・?年、経験も知識も増えたので今ならあの頃の自分のように、初心者の人に、「とりあえず、知っとくとテントが選びやすいよっていう基礎知識と、まずこの辺のテントがおすすめやで。」って解説をまとめました。
ツーリングテントとは
ツーリングテントとは、バイクツーリングや自転車ツーリングなどに使われる少人数用で比較的軽量&コンパクトなテントのことです。
「ツーリングテント」ってジャンルがあるわけではなく、山岳用テントやオートキャンプ用のテントから選んでる感じです。
ざっくりこんなイメージ↓
山岳用テントは軽いけど値段が高く、オートキャンプ用のテントはちょっと大きくて重いけどリーズナブル。
軽いに越したことはないので、山岳用テントはツーリングテントとして十分すぎるくらい使えます。
ただし、お値段が高いので、軽さにこだわらないのであれば山岳テントの中でもちょっと重めでちょっと安いものが良いかと。
オートキャンプ用はファミリーテントも多いですが、少人数用もあるので、1~3人くらいで小さめの物がツーリング向きです。
「ツーリングテント」って名前の付いているテントは、だいたいこのオートキャンプ用のテントの中の1~2人用のテントですね。
自立式と非自立式、ダブルウォールとシングルウォール
テントの構造的に、自立式と非自立式、ダブルウォールとシングルウォールってのがあります。
自立式と非自立式
自立するかしないかってことですが、これは、テントの柱となるポールと、壁になるテント本体(幕体)だけでテントを立体化(居住空間)ができるかどうかってことです。
非自立式のテントは、ポールとテント本体だけではテント内部の空間が作れません。倒れちゃいます。
ペグという杭を地面に打ち込んだり、木の間に張ったロープ(綱)を利用したりしてやっと居住空間を作ることができます。
非自立式テントはペグがしっかり打てるってことがかなり重要です。
泊まろうと思っているキャンプ場がきれいな草地や土で、しっかりペグが効くところならいいんですけどね、旅先で適当に決めるキャンプ地がそうとは限らないんですよね。
ということで、断然!初心者には自立式のテントがおすすめです。
自立式テントは地面を選びません。
ペグも打ちますが、上手に打てないからって寝られないわけじゃないんですよ。
自立式なら、たとえ東屋の下のコンクリートにだってテントを建てることもできます。
ペグは打てませんが雨の日に避難したりとか・・・・・・まぁ、何かと使いやすいわけです。
ダブルウォールとシングルウォール
テントの壁的な幕が1枚なのか、2枚なのかってことです。
ダブルウォールのテントの場合、インナーテントって内側のテントと、フライシートって外側のカバーの2枚でできています。
二重サッシとかペアガラスみたいな感じかな。インナーテントの中が結露しにくいです。
あと、フライシートがちゃんと下まであるものなら、前室ができます。
家で言う「玄関」とか「土間」みたいな空間です。
これが便利で、ブーツを置いたりテント内では使わない荷物を置いたりできます。
靴(ブーツ)置けるってバイク乗りにはけっこう重要なんじゃないかと思うのですが・・・。
1日中履いてて蒸れたブーツをテント内に置くの嫌じゃない??
シングルウォールの場合は1枚で終了です。
出入口のチャックを一個開けたらもう外。前室はありません。
シングルウォールは幕が1枚なので、当然その方が軽くなるんですよね。
ただ、前室がないのが困ります。
たまに、出入口の部分だけダブルウォールで小さい前室があるテントがあるんですが、それならありかなと思います。
オススメは断然ダブルウォールです!
前室大事!!
つまり、「自立式でダブルウォール」のテントがおすすめ!ってことです。
おすすめツーリングテント
基本的な条件として、「自立式・ダブルウォール(前室あり)・価格は3万円以下」で選んでいます。
さらに、「安い」「設営が簡単」「軽量コンパクト」「前室が広い」に分けて紹介します。
安いツーリングテント
テントって本当にピンキリで、高いものは5万とか普通にするし、10万円なんてものもあります。
でもいきなりそんな高いテント買えないですよね。
「キャンプツーリングしてみたい!」って思っても実際やってみたら「もういいや」ってなるかもしれないし。
わたしも最初に買ったテントは5千円くらいだったし、それで十分でした。
なので、初めてキャンプツーリングをする人には「安いテント」が一番おすすめだと思ってます。
テントを安くした分、寝袋にお金をまわして、そこそこいいものを買ってほしい。
寝袋が安物で寝苦しいと疲れが取れなくてツーリングがしんどくなってしまいます。
悪天候じゃなければ、安物でも意外と大丈夫だったりします。
以下のテントはいずれも1万円以下で買えるツーリングテントです。
ノースイーグル イーグルツーリングドームII
安いテントの中でもイチオシ。
理由は、フライシートにベンチレーションが付いていることと、インナーテントの天井メッシュ部が開閉式になっているからです。
次のキャンプテンスタッグのリベロと迷いますが、リベロは強風だった場合に張り綱が張れないのもちょっと残念なところなんですよね。
あと、寒がりだけどGWもキャンプツーリングしてたので、インナーテントの天井メッシュがいつでもメッシュだと辛いなぁと・・・・・・あっ、寝袋をもっと寒いとき用にすればいいのか。
キャプテンスタッグ リベロツーリングテント
張り綱は張れませんが、よっぽど強風の時にキャンプしなければ十分だと思います。
ってか、わたし普段から綱張ってません(笑)
「今日は風がめっちゃ強いなぁ」と思ったときだけです。
だからまぁ、十分かなと。
バンドック ツーリングテントBDK-17
安くて何気に軽いテント。
フライシートにベンチレーションがないのがちょっとマイナス。
設営が簡単なツーリングテント
初心者だと「テントの設営が難しそうで心配」とかって思うんでしょうか。
わたし理系女子なので、何気にそういうのけっこう得意で、むしろ好きなくらいなので気にしないんですが・・・。
普通のドーム型テントでもちょっと練習して、慣れれば特に難しくはありませんが、さらに設営が簡単なテントを紹介します。
DOD(元ドッペルギャンガー) ライダーズワンタッチテント
これは本当に簡単ですね。
設営するのも撤収するのも簡単。
メッシュ部分が少ないし、フライにベンチレーションもないので、真夏はちょっと暑そうなのが難点かなぁ。
モンベル ムーンライト2型
ロングセラーのモンベル「ムーンライト」。
月明かりの中でも素早く設営できるってことでその名前が付いたそうです。
設営してる動画を見ると、確かに、普通のドーム型テントより設営しやすいと思います。
ドーム型テントは真っすぐのポールをインナーテント(or専用グランドシート)の穴に挿すことでポールを曲げて立体型にします。
ポールの片側を穴に挿しといて反対側に移動してポールをグッと曲げてって思ったら最初に挿したポールが抜けてたりってこともあったりするんですよね
でもこのムーライトは、ポールを組み立てた段階でポール(フレーム)が自立してくれます。
自立しているポール(フレーム)を挿していくので、不用意に抜ける方向に引っ張ったりせず設営しやすいと思います。
また、防水性・通気性の良さもムーンライトの良さです。
1人用もありますが、あまり広くないので2人用の2型がおすすめですね。
軽量コンパクトにしたい場合は1型もありですが、1型は中がけっこう狭いので他の荷物も減らしたりコンパクトにしないと狭いと思います。
軽量&コンパクトなツーリングテント
ツーリング中はバイクがテントを運んでくれるとはいえ、軽いに越したことはないんですよねぇ。
軽くて小さく収納できるテントはそれなりに狭いか、薄くて高級な素材を使っているから値段が高かったりします。
収納できる場所が限られていて、できる限りコンパクトにしたいって場合じゃなければ、それほどこだわらなくてもいいかなぁと思います。
そこそこ軽量コンパクトでそれなりの広さがあってそんなに値段が高くないテントを選んでみました。
モンベル クロノスドーム1型
2.19kg。
一見普通のドームテントですが、天井部でクロスするポールが直角に交わるようにソケットで固定する構造になっていて、そのおかげでインナーテント内が少し広くなっています。
こちらも、1人用の1型と2人用の2型がありますが、2型でも2万2千円台なので、重さにめっちゃこだわってないなら2型の方がいいですね。
オレンジと青バージョンがあります。
2型でも重さは2.43kgなので、十分軽い方です。
また、クロノスドーム2型は「そらのした
お試しキャンプならレンタルもありですね。もちろんテント以外のキャンプ道具もあります。
→「そらのした」のクロノスドーム2型のレンタル詳細ページ
バンドック ツーリングテントBDK-17
安いうえに2.3kgと軽量なので、逆に心配になります(笑)
素材と造りでコスト抑えてるんだろうか・・・。
何にしても、安くて軽いテントを求めている人にはコレですね。
ただし、レビューを見るとやはり値段相応な造りのようです。長く付き合うのは難しそうです。
「とりあえずキャンプをしてみたいから試しにテント買ってキャンプしてみよう」くらいの感覚で。
前室が広いツーリングテント
前室とは、フライシートとインナーテントの間にある玄関みたいな土間みたいな空間です。
広ければテント内で使わない荷物を置いたり、雨が降ったときなどに調理したりもできます(調理するときは換気してね)。
前室が広い方が便利でいいんですが、前室が広いテントはけっこう値段が高いものが多く、重量も重くなります。
ちなみに、テントの広さについて。
テントのスペックを見ると、「○人用」って書いてありますが、あれは寝るだけのスペースで計算されています。
なので、ソロキャンプで1人用のテントで寝たら、テント内に荷物を置くスペースはほとんどないと思ってた方がいいです。
前室が広ければ、そこに荷物を置くこともできるのでいいですが、前室が小さいならテント内の広さは「実際に使う人数+1人」が快適です。
1人で使うのに2人用で前室も広ければ、とても快適ってことです。
コールマン ツーリングドームST
そこそこ安くて前室が広いテントといえば、まずこれが浮かびます。
ただ、昔のモデルの方が良かったんですよねぇ・・・。
現行モデルは重いです。4.4kgあります。車体の軽いバイクには厳しい重さです。
でもこの値段(15,000円くらい)でこれだけの大きさの前室があるテントは他にないかなぁ。
まとめ。結局どれが一番おすすめなのか?
まずは安いやつで。
キャンプをするためには他にも買うべきものがあります。
テントは最低限「テント」として機能してくれればいいので、寝袋とマットにお金をまわしてください。
窮屈な寝袋では安眠できないし、ペラッペラの銀マットでは体が痛くなります。
EVAフォームのマットなら安いしおすすめです。
(参考記事:キャンプツーリング初心者のための必要最小限道具(持ち物)一覧)
ということで、「キャンプツーリングしてみたいけど、続くかわかんないしなぁ、何買えばいいんだ?」って人には、「とりあえず安いテント買って、キャンプツーに行っといで」って言いたいですね。
安いテントの中では、ノースイーグルの「イーグルツーリングドームII 」
キャプテンスタッグの「リベロツーリングテント
上でピックアップした安いテントはインナーテントのメッシュ部分が、いつでもメッシュってやつが多いので、使用する季節&温度に気を付けましょう。
寒いと寝られないです。
もし、「初心者だけど、ほぼキャンプの予定で1ヶ月くらいツーリングする予定なんだけど・・・」って言われたら、さすがにモンベルの「クロノスドーム2型
軽さもですが、品質的に。
残念ながら、激安のテントで超ロングツーリングに出るにはちょっと心配です。
あと、めっちゃ不器用で「テント立てられるか不安やわぁ」という人、もしくは、テントはサッと張ってサッと撤収したいって人には、ドッペルギャンガー「ライダーズワンタッチテント
簡単だし早い。
ま、とにかく、「安くていいから、テント買って(もしくは借りてでもOK)1回キャンプツーリング行ってみようや」ってことです。
キャンプツーリング楽しいなって思うかどうかもわからないし、自分がどんなスタイルなのか、「キャンプ場では寝るだけ」なのか、「キャンプの夜は焚き火しながらうまいもん食べたいな」なのか、いろんな人がいますからね。
どんなにいいテントでも自分のスタイルに合ってなければ良くないですよね。
まずはお手頃なテントでキャンプをしてみるのが一番だと思います。
実際にキャンプツーリングをしてみて、「キャンプツー楽しい!!」ってなったら、自分がしたいキャンプツーリングに合ったテントを探すのも楽しいですよ。
参考記事
■キャンプツーリング道具の記事まとめ
■ツーリングテント選びのポイント
■キャンプツーリング初心者におすすめのツーリングテント
■私のツーリングテントの選び方
■キャンプツーリング初心者のための必要最小限道具(持ち物)一覧