アウトドア用品店に行くと山岳用のテントからファミリーキャンプ用のテントまで、幅広いテントがあります。
少ないですが、中には「ツーリングテント」的な名前が付いているものも。
バイクでキャンプツーリングするときに向いているのは、「ツーリングテント」って名前が付いているものと山岳用のテントです。
山に登る方は荷物を全部背負って登りますからね、軽量でコンパクトです。
軽くて小さく収納できるテントはキャンプツーリングにもぴったり。車ほど載せられないですからね。
ツーリングテントと山岳テントの中からどのテントを選ぶか、ポイントをまとめました。
すべてを満たすテントはないので(安くて広くてコンパクトってのは無理)どのポイントを優先するかです。
重さ&収納サイズ
バイクに積める荷物は限られてますからねぇ、軽量&コンパクトに越したことはないです。
でも、軽量でコンパクトなテントは、軽い素材のポール(←高価)や、薄くて強い生地(←高価)を使っていたり、前室を狭くしたりと、軽量&コンパクトにするために、他を犠牲にしています。
ツーリングの場合、ライダーが荷物を背負ってるわけではないし、一度に抱えきれない量の荷物をテントに持ち込んだりもします。
そうすると、それなりに広さは欲しいし、多少重くなってもなんとかなるんじゃない?って思ってます。
ただ、テントを含めた荷物の重さは、バイクの運転にも影響を及ぼします。
特に原付やオフロード車など、もともと車体が軽いバイクに重い荷物を積むと、重心が高くなり、バイクがふらつきやすくなります。
カブに旅荷物を全部積むと、普段と全然バランス感覚が変わります。
しばらく乗ってれば慣れますが。
ということで、私なりの目安としている重さは、車体の軽いバイクには、軽めのテントで3kg弱ぐらいまで。
車体の重いバイクなら、テントは4kgぐらいまで。
カブなど、フロントにキャリアが付けられるバイクがありますが、もし、そこにテントを載せようと考えている場合は、キャリアの積載重量もチェックしましょう。
しかし、フロントが重くなると操作性が悪くなるので、おすすめしません。
収納サイズについては、軽いテントは比較的コンパクトになるものが多いです。
本体とフレームを分けて収納できるテントもあるので、バイクにどう積むかも考えてみましょう。
私の場合、袋ごとドンとシートに載せて、ゴムで車体に固定します。
ダンナはテントをシートバッグに入れて、シートバッグをバイクに固定します。
たぶんどの場合も、注意すべきポイントは、一番長い辺の長さです。
ダンナの場合、シートバッグに入らない長さはNGです。
私の場合、シートバッグは関係ありませんが、ハンドル&ミラーの幅より長かったらダメです。
フロントは通れたのに後ろが引っかかって通れないという可能性があるからです。
ちなみに、道路交通法では、
「荷物の横幅は車体の積載装置の幅+左右15cm以下」です。
測ったことはありませんが、・・・・・・捕まったことはありません。
広さ(定員&前室)
キャンプツーリングだと、荷物のほとんどを降ろしてテントに入れます。
車であれば、キャンプに必要ないものは車内に残して鍵をかけられますが、バイクでは、そういうわけにもいきません(鍵付きパニヤなら多少できますが)。
ということで、テントには「人間が寝る場所」と「荷物を置く場所」が必要です。
テントのスペックに書いてある「定員」は人が寝るだけのスペースです。
JIS規格では、
「テントの床部から高さ22cmの位置で、幅55cm×長さ180cm」です。
インナーテント内の快適性を求めるなら、「実際の使用人数+1人」がおすすめ。
前室が広く、荷物はそこに置くから、テントの中は寝るスペースだけあればいい、と考える人もいると思います。それはそれで、ありです。
テントの中でゴロゴロはしづらいと思いますが。
また、背が低いと足元などに少し荷物を置いても寝られます。
逆に、背が高いとインナーテントに頭や足がつきそうで嫌だ、という場合もあります。
この場合、「2人用のテントで斜めに寝る」という策もあるようです。
前室は必須です。ブーツは外に置きたいですよね?
私は、イスとかランタンとか、けっこう置きたいものがあるんですけどね。
最低限、ブーツが置けるだけの前室は絶対にあった方がいいです。
広めの前室があれば、雨が降ったときにそこで煮炊きをすることも可能です。
ただし、メーカーはテント内での火気の使用はやめてねと警告しています。
(テントメーカーもストーブ・ランタンメーカーも)
たとえ難燃性の繊維を使っていても、燃えたり溶けたりします。(溶かしました)
テント内での火気の扱いは、自己責任で。
くれぐれも注意しましょう。換気も忘れずに!
定員も前室も、広くなればなるほど居住性が良く、快適になりますが、その分、重くなり収納サイズも大きくなります。
テントに置く荷物の量にもよりますが、1人で使う場合、「前室の広い一人用テント」か「前室は小さいけど二人用テント」を基本のサイズとして考えると良いです。
全ての荷物を小さくコンパクトにしてる人や、ビックスクーターのメットインの中、鍵のかかるパニヤケースの中に荷物を入れられる人からテントは軽量コンパクトにしたいという人は、「小さい前室の一人用テント」。
荷物が多い人、ゆったり快適な居住性を求める人は、「広い前室の二人用テント」。
といった具合に、自分の荷物の量やテント内でどう過ごしたいかによって広さを考えましょう。
基本的に、軽量コンパクトなのに広い!というテントはありません。
軽量コンパクトなのにそこそこ広い、というテントはあります。その場合、
それはコスト(価格)にかかってきます。
通気性
日本は高温多湿。雨も多いので通気性は大切です。
出入り口のメッシュパネルはもちろん、出入り口の反対側にもメッシュパネルがあれば通気性が良くなります。
さらに、四面にメッシュ部があるテントもあります。
また、通常のインナーテントの他に、別売りですがフルメッシュタイプのインナーがあるモデルもあります。
真夏のキャンプにはぴったりです。
フライシートとグランドシートだけで自立するテントで、インナーテントを張らずに使用するという技(?)もあるようです。
インナーテントのないワンポールテントもそういう状態になります。
通気性はとても良いですが、虫も入ってきますので、虫嫌いなひとはやらない方がいいですね。
ちなみに、夏の北海道でのキャンプをしようと思っている場合、フルメッシュタイプのインナーはおすすめできません。
夏とはいえ、北海道(特に道北・道東)の夜は冷えますよ
耐水性
耐水性に関して、まず、テントのスペックにある「耐水圧」を確認してみましょう。
目安は、
500㎜:小雨に耐えられる
1000㎜:普通の雨に耐えられる
1500㎜:強い雨に耐えられる
ぐらいですので、耐水圧1500㎜以上あれば十分でしょう。
それ以上の雨なら、私は屋根のあるところで眠りたい
生地の耐水性以外も考えてみましょう。
まず形。
フライシートがインナーテント全体を覆っているフルフライのテントが良いです。
ハーフフライでは、横からの風があるとき、インナーテントが濡れてしまいます。
また、フライとインナーがくっつくと、そこから水がしみてくるので、フライとインナーの間隔が広いものがいいです。
シングルウォールのドーム型の場合、人間が出入りするときに、もろに雨が入ります。出入口部だけでも小さな前室があるモデルがいいですね。
水はテントの縫い目からも浸入してきます。
縫い目に防水加工(シームリング)されているか確認しましょう。
もしされていなくても、シームシーラーを使って自分でシームリングできます。
さらに、テントの下にグランドシートを敷くことで、床からの浸水を防止できます。
専用のシートもありますが、ブルーシートでも効果があります。
ブルーシートを敷く場合はテントよりも、ほんの少し、小さく敷くのがポイントです。
フライをつたって落ちてきた水を受けてしまうほど広く敷くと、ブルーシートが水溜りになります。
出入口
出入口のポイントは2つ。
「①出入口のある面がテントの短辺なのか長辺なのか」と
「②出入口が1つか2つか」です。
まず①について、
ほとんどのドーム型テントとAフレーム型テントは長方形の形をしています。
その短い辺に出入口があるか、長い辺の面に出入口があるかということです。
一人用テントで短辺に出入口の場合、ちょっとミノムシ気分?
テント内の荷物の置き方で出入りのしやすさが左右されます。
長辺の場合、出入りはしやすく、荷物も置きやすいですが、出入口のサイズも少し大きくなるため、その分ほんの少し重量と収納サイズが大きくなるようです。
②について、
出入り口が2つあると、片側の出入り口の前室に荷物をいっぱい置いてしまっても、反対の出入り口から出入りできるので便利です。
また、インナーテントの両側がメッシュにできるので、通気性も良くなります。
ただし、二重構造のフロントパネルが2つになるわけですから、重量と収納サイズが大きくなります。
うちでは現在、長辺に出入口1つのテントを2人で使っているのですが、夜中にトイレに行きたくなったときにダンナをまたいで行かねばならず、踏みそうになって危ないし、たいてい起こしてしまいます。
だから出入口が2つあるテントが欲しい
自立式or非自立式
テントの構造でも書きましたが、自立式テントとは、テント本体にポールを組んだだけでテントが立体的になり、 自立するテント。
非自立式テントとは、テントとポールだけではつぶれた状態で、 ペグを打って固定したり、テンションをかけないと立体化しないテントです。
ペグが効くってわかっているキャンプ場なら非自立式もありですが、行き当たりばったりなキャンプツーリングをするなら自立式がいいです。
自立式テントなら、雨が降った時に屋根のあるところの下(たいていはコンクリートなどペグが打てない地面)でも設営できるので、臨機応変に対応できます。
組み立てやすさ
テントの種類によって組み立てやすさは変わります。
雨が降っている時、風が強い時、暗くなってしまった時など、設営する時の状況によっても変化します。
ツーリングに向いたテントの多くはドーム型テント(自立式)です。
ドーム型テントにも2種類、スリーブ式と吊り下げ式があります。
普通のときは、スリーブ式の方が設営しやすいです。
しかし、強風のときは風にあおられ、組み立てにくくなります。
風があるときは、吊り下げ式の方が簡単に設営できます。
雨の時を考えてみましょう。
大切なのは、できるだけインナーテントを濡らさないということです。
インナーテントを濡らしてしまうと、テントの中にも浸みてきます。
雨のときは、フライシートを張ってからインナーテントをつけることができるテントの方が、慌てずに、濡らさず設営できます。
いっそタープがあれば、テントの撤収時間とか濡らす濡らさないとか考えなくてもいいんですけどね。そうやって荷物が増える一方・・・
ドーム型テント以外も見てみると、三角テントの代表、モンベルの「ムーンライト」は月明かりでも素早く設営できることから、ムーンライトと名づけられました。
それくらい、簡単に設営できるということです。
ちなみに、「ムーンライト」は防水性・通気性の良さでも定評があります。
また、ケシュアのテントは「瞬間設営」がうり。
パッと開いて、ペグを打てば設営完了です。
初めてのテントのときは、事前に一度練習しておくと、本番のキャンプでも設営しやすくなります。
価格
いいテントって結構高いんですよねぇ。
軽量コンパクトなテントは特に高めな感じ。
はじめてキャンプツーリングに行こうと考えている場合、キャンプにはまるかどうかもわからないのに、いきなり高いテントは買いにくいですよね。
キャンプには他のものも必要だし、ツーリング用品にもお金がかかりますしね。
最初は、一万円台以下のテントがいいと思います。
ホテルor旅館の2、3泊分で元が取れます。
私が初めて買ったテントは6000円ぐらいでした。
カブで小樽から稚内まで、一日で行けるのかわからず、でも「テント持ってたらなんとかなるやろ」と思って、安くてもオーソドックスなテントを買って持って行きました。
幸い、稚内までは一日で行けてしまったのでその時は使わなかったのですが、何日か後、見事に役立ってくれました。
すっかりキャンプにはまり、3年くらいそのテントを使っていて、ランタンでフライを溶かした頃、ちょうど欲しいなぁと思っていたサイズ・形のテントを2万円台で発見したので、買い換えました。
そろそろ次のテントが欲しいなぁなんて考えながら、どういうテントがいいかなって妄想してます
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